DAブラックホールは、
で、企画・設計している。(各マイナーバージョンごとに)
企画は1年前にはじめるので、
「だいたい9~10年後まで使える設計思想」
を基本に開発がはじまる。
(企画開発1年+販売期間3年+終売ギリギリに買ってから5年)
販売終了後のサポート期間を原則1年に設定しているが、これは終売から5年持たせるための補強期間としての意味合いも含んでいる。
元となる考え方は、企業会計と税務における「ソフトウェアの原価償却期間」である。
製造元の原版の償却期間が3年であることはいうまでもなく、続編を作る前提であれば、3年ごとに新作を作っていくことになる。
一方利用者にとって、DAブラックホールは高くて6万円ぐらいなので、すでに持ってるPCにインストールして組み上げる個人事業者さんなら、経費か一括償却になっていると思う。
しかし、法人さんになるとシステムとして予算を組んで構成することもあるので、ソフトウェア部分については5年の耐用年数で定額法を採用している法人もあると思う。
このため、DAブラックホールの耐用年数は5年を想定することになる。
つまり企業会計上および税務上の減価償却期間によって、製品ライフサイクル(≒寿命)が決まっているともいえる。
旧製品の稼働期間は10年以上
では実際の寿命はどうだったかというと
- DAブラックホール → 1.0への無償乗り換え
- DAブラックホール1.0~1.3(1.4) → 1.5への無償乗り換え
- DAブラックホール1.5(2007/3/15発売)→ サポート終了(2012/5/31) → 2017年現在 WindowsXPで動作中
- DAブラックホール1.6(2011/6/1発売) → サポート終了(2015/3/31) → 2017年現在 WindowsXP/Vistaで動作中
という状況なので。
OSやDLLのサポート終了を無視すれば、ソフトウェア使用許諾上の観点からは、初代DAブラックホール(1997年製)を買った方でも、20年経過した現在 1.5にアップグレードして使用できているので、寿命は来ていない。
性能的な寿命は、1.6および1.5は現役稼働中の方が多く、1.3(SIP2.0を含む)についても、ライセンス認証のログを見ると、まだ継続認証をしている方が複数いらっしゃるので、稼働中といえるだろう。(11~16年経過)
おそらくSIP2.0は、PSTN網がなくなってもOSが動く限り実用に耐えうるんじゃなかろうか。
フロッピーディスク版の1.2は ログを見る限りでは、2011年ごろを最後に途絶えているようだが、こちらは約10年使用されたと推定している。
こういった状況から、
「耐用年数は5年」だけど「だいたい10年以上は使ってもらっている」
と考えており、
おおむね企画時の設計寿命は越えて稼働していると受け止めている。
1.x系列の将来像
DAブラックホールの販売計画については、買い替え(リプレース)需要サイクルを建て付けてはいないので、どのバージョンであっても、今後も 使えるいっぱい使ってほしいと思っている。
ただ、細かな部分やキャリアごとに、ムリがでてくる部分はある。使い続けてくれるユーザーさんにはそういった内外の要因変化を考慮してリプレース計画をたててほしいとも思っている。
たとえば、Windows2000環境を想定したバージョン(~1.3)では、事実上OSがTLSに対応していないので、すでにソフトウェア単体によるライセンス認証はできなくなっている。1.5にアップグレードしてWindowsXP/Vistaで用いることが推奨されている。
ただ1.5~1.6は、コード署名の期限が 2018 年 6 月 16 日なので、UACが作動するOSでは この日を過ぎると警告が表示されるようになる。
したがってDAブラックホール1.5および1.6を組み込み(またはラッピング)で使用している場合は、この日が限界ということになるかもしれない。
一方、キャリア情勢の変化も考慮しておく必要がある。
PHS勢の一角であったNTTパーソナルがサービス終了した際は、対象ユーザーについてDAブラックホール1.6への交換を、最低限の事務手数料¥2,000(当時)のみで行った。
2017年現在、旧ウィルコム・現ワイモバイルはPHSサービスの新規加入を2018年度には停止することを表明しているので、今後3~5年程度で停波する可能性がある。その場合は、同様の配慮措置を検討することにしている。
またNTT東西はPSTN網(アナログ/ISDN 各交換網)のIP網置き換えを2020年をめどに開始してゆくことを発表している。こちらについてはNTT側の技術的な課題が大きすぎるため、この目標には懐疑的な見方が少なくない。とはいえ将来のいずれかの時点でPSTN網が終了することはまちがいないと思われる。
その点においては、携帯電話の3Gサービスが いますこし長く生き残ると考えられるので、DAブラックホール1.x系列は、最終的に3Gに収れんされて、その役割を終えることになるのだろう、と考えている。
ただ1.8では、解析エンジンが独立しており、ユーザー自身で設計したエンジンを組み込めるようになっているので、独自にIP網用の改修を行う人も出てくるのではないかと思っている。そうなると、1.x系列の終わりは もう少し先のことになるだろう。