電話回線をIP化するとDAブラックホール(ISDN用)が使えなくなる問題

当然のことに、なにを言っているのかわからない、という向きもあるかもしれないが、電話回線をIP化するとDAブラックホール(ISDN用)が使えなくなるという「問題」は、増えている。

事象

あるとき、DAブラックホール(1.3~1.7)をISDN回線で使うと、リザルトにx063などの「サービス利用不可クラス」ばかり返るようになり、意図した解析結果が得られない。

特徴

TAにNEC Atermシリーズを用いている場合は、リザルトに2063(自分側の局交換機)が返る。
リザルトが返るということで、ローカルインターフェースの切断・解放完了が行われていることがわかる。(すなわち機器の故障ではない)
解析タイムは100~300msと短く、局交換機(LN)が返したにしては、タイムが速すぎる。

対応

念のためDAブラックホールのメイン画面のスクリーンショットとデバイス試験データの作成をユーザーにお願いしている。これらに異常がない場合は、回線そのものに原因があると考える。

実例として最も多いのが、「事業所をひかりIP化した」というものである。
導入業者の事前説明で「ISDNがそのまま使える」と言われたから、というのもポイントになっている。

もちろん業者さんの説明不足である。IP用のゲートウェイ装置を間に入れて「ISDN機器の多くがそのまま使える」ということではあろうが、G4FAXやISDNデータ通信は 2017年現在、NTTのISDN網(PSTN/SS7)には抜けない。
例外的に支社のIP網からVPNを介して本社のISDN回線を使っているという方は知っているが、一般的とはいえない。

おそらくは請負契約書に「G4FAXやISDNデータ通信は除く」と免責事項が書かれているはずだから、工事したあとはどうにもならない。

あたらしくINSの回線を引きなおすか、他の回線種に変更せざるをえない。

ひとこと

ISDN機器とIP網の間に入れるゲートウェイ装置が、サービス利用不可クラスの生成源を 2(LN・ローカルユーザ収容公衆網)ではなく 1(LPN・ローカルユーザ収容私設網)で返してくれると わかりやすくなるんだけどね。