1.7とはなんだったのか(3)
サポート体制の変更
「キャリア判定(NTT・KDDI・SB・などなど)に使用する」ということは、利用者はかならずしも電話回線に詳しいわけではない。
アウトバウンド(テレアポ)をしている営業担当者が、いきなり導入を命じられることだってあるだろう。
すなわち 利用者(対象)の想定が大きく変わることになるので、1.7ではサポート体制の変更も必要になった。
まず「ハードウェアセットアップ」を新設して、宅配便でPCを送ってもらえば、セットアップして返すようにした。なお故障品を送られると困るので、いったんヤマト運輸の営業所止めにして、検品後に自社配送センターで収受→テクニカルサポートが整備して送り返す手順となった。東京・神奈川・埼玉・千葉では出張サポートも利用できるようにした。
つぎに「アドバイザリー」を拡充して遠隔メンテナンスのサービスを行うようにした。
1.7にパスコード(旧版の準裏コマンド)を入力すれば、リモートツールが起動し、担当者とチャット・通話・リモート操作が行えるようにした。この二段構えで、PCが不得手な人でも、導入可能な体制を整えた。
もともとのDAブラックホールは、ユーザーに対して排他的なソフトウェアだっただけに、回線技術者以外でも使えるようにすることは、サポート体制を根底から見直さざるをえないということでもあった。
ユーザー情報を破棄
とはいえ、サポート量の増大にあわせてスタッフを増やすことは、人件費上のリスクを負い製品原価を上昇させてしまうので、これを変動費にするべくユーザーサポートを外部に委託する必要があった。
だが、そうなると販売情報(個人情報)も外部に提供しなければならない。
これは懸念材料(クリティカルポイント)を増やしてしまうことであった。
そこでダイアモンドアプリコットはユーザーの個人情報を原則・持たないことにした。これまでのデータも経理上の伝票(証憑書類)以外は破棄することにした。
それでどうやってユーザーを識別するかというと、
- ユーザーはサポートを受ける際に、ダイアモンドアプリコット電話研究所のサイトで、ライセンスカードの内容を入力し、正規ユーザーの認証を受ける
- サポート会社には認証に成功した結果だけを通知する
- ユーザーのメールアドレスは、フォーム入力時に使用したものを伝える
というデータフローにした。
この順序をユーザーが意識することはない。
質問をフォームに入力した時点で、自動的に処理されているからである。
ハッシュ保存された記録と照合して、購入記録のないユーザーからの質問のみライセンスカードの内容を入力する必要がある。
現在は、親会社の「ダイアモンドアプリコット」がサポートを担当しており、そこで手に余る内容の時には、「電話研究所」のテクニカルサポートが対応するようになっている。
(つづく)
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